療育とは?利用をスタートするまでの流れを紹介!

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以前に娘の発達や登園しぶりに悩む中で、「療育を利用したい」と考えるようになりました。そこで、独自で調べた時に利用までには多くの手続きや時間がかかることに驚きました。ここでは私の経験を元に、療育サービスをスタートするためのステップとその流れをお伝えします。

もしも同じような気持ちを抱えている親御さんがいたら、少しでも参考になればと思います。

※自分の体験や・独自で調べた情報を元に作成しているため、情報に不備や不足がありましたら、ご指摘いただけると幸いです。住んでいる地域によって異なる場合もある情報も含まれています。

目次

療育(発達支援)とは?

療育とは、障害のある子どもやその可能性がある子ども(0〜未就学児)が利用できる通所支援サービスです。子どもの障害特性や発達状況に合わせて、困りごとの解決や将来の自立などを目指して支援・サポートを受けることができます。

「療育」という言葉は、もともと身体障害のある子どもへのアプローチを表す用語として使われていましたが、子どもの発達を支援するアプローチの総称として使われることが多く、「発達支援」という言葉もほぼ同義語として使われています。

療育は、「何かしらの障害があると診断された子ども」しか利用できないイメージがありますが、診断の有無にかかわらず「発達の遅れが気になる」「なんとなく育てにくさを感じる」という場合でも利用できます。

療育施設に通わず、自宅で療育を実施するという選択肢もあります。以下の記事で、フリーライターの遠藤光太が自宅で療育を実践された経験談などをお聞きしたので、こちらの記事もぜひどうぞ!

利用をスタートするまでの流れ

①基幹相談支援センターに相談

娘は特に発達について誰からも指摘を受けていなかったものの、毎日の激しい登園しぶりに悩んでいました。加えて、娘のこだわりの強さや言葉で伝えることが得意ではないことも気になっていました。

独自で娘の発達について調べるうちに「療育」の存在を知りましたが、利用するにはどうしたらよいのか分からなかったので、市の「基幹相談支援センター(※)」に相談をしました。

市の相談窓口は分かれていますが、基幹相談支援センターでは、子どもの発達について適切な窓口への案内をしてもらえます。

※基幹相談支援センター:地域において障害のある方やその家族が必要とする支援を総合的に提供するための相談窓口

②子どもと医療機関を受診

療育はだれでも利用できるわけではなく、「通所受給者証」という書類が必要です。この受給者証は、医療機関で医師から意見書を書いてもらい、その内容をもとに市から審査・判断を経て発行されます。

なので、まずは意見書を医師に書いてもらうべく医療機関を受診する必要があるのですが…。

実は発達センター以外の選択肢

基幹相談支援センターからは「発達センターで受診してください」という案内でした。多くの自治体ではまずは発達センターを案内されるのではないでしょうか。ですが、実は発達外来がある小児科でも意見書を書いてもらうことが可能です。

発達センターは自治体によっては数ヶ月待ちのケースもあり、心身ともに疲れている親御さんにとって、この待ち時間が大きな壁になるかもしれません。選択肢を複数持っておくと最初の段階でつまづかないでいられると思います。

ですが、ここでもうひと頑張り。私の地域の基幹相談支援センターでは、市内のどの小児科で発達相談ができるのかまでは把握していなかったので、発達外来がある小児科を独力で探すことに…。

自分の住んでいる地域の「発達外来がある小児科」が探しやすくなると嬉しいですね…。

③医師に意見書を書いてもらう

小児科では、特に誰からも発達について指摘を受けておらず、保育園で娘自身は特に困りごとはないことや、登園しぶりが激しく私が辛いこと、家でのこだわりが強く困っていることなど、当時の状況をありのまま話しました。

すると、医師の先生からは「どちらかというとお母さんが悩みやすい印象を受けますね。療育は診断がついていなくても利用できるので、悩んでいる人がもっとカジュアルに使えるようになるといいと思う」と言っていただき、意見書を書いていただけました。

この時に初めて療育は診断が降りていなくても使えることを知りました。子どもの発達に悩んだ時の選択肢のひとつにしても悪いことではないのだと教えてもらえて、とても励まされたのを覚えています。

④療育施設の見学

意見書も書いていただいたことだし、いざ受給者証発行!と思ったのですが、受給者証を発行するためには利用する療育施設をあらかじめ決めておく必要があると知りました。

個人的には市のWebサイトから療育施設を探すのは難しく、自宅近くの療育施設を探すのは「りたりこ発達ナビ」の施設情報ページがすごく便利でした!全国の発達支援施設を探すことができます!

療育施設の種類

療育施設には大きく分けて以下の2つの種類があります。

親子同室タイプ

  • 保護者も一緒に療育に参加
  • 療育の時間は約1〜2時間程度と短め
  • 子どもの不安が少なく、親が療育の様子を直接確認できるため安心

預かりタイプ

  • 子どもだけで療育を受ける
  • 多くの場合、半日程度の預かり(幼稚園のような形式)
  • 保護者が拘束されないため、その時間を仕事などに活用できる

その他、施設ごとに言葉や運動などなど、力を入れる分野や取り入れる療育内容も様々です。人によって様々な観点があると思うので、子どもの特性に合うかどうか見学で実際に確認してみるのがオススメです!

調査や見学の手配、利用の決断…どれをとっても慣れないことばかりで、私も正直かなり時間がかかりました。

療育施設を選ぶ時のチェックポイント例

  • 療育内容が子どもに合うか?
  • 距離的に通えそうか?
  • 親のライフスタイル
  • 施設やスタッフさんの雰囲気

療育にかかる費用

いちばん親として気になるのは、療育にかかる費用ではないでしょうか。費用は原則として国や自治体が9割負担し、家庭では1割負担となっています。また、家庭の所得によって「利用者負担の上限額」が定められています。

詳しくは以下のページを参照してください。

3歳から5歳までの子どもであれば無償化の対象

ただし、2019年10月から開始された幼児教育・保育の無償化の制度により、3歳から5歳までの子どもの場合は利用者負担が無償化されます。(その他の食費・教材費などは別途発生)

私の娘は当時4歳だったため、保育園と併用しても無料で療育を利用することができました。

⑤通所受給者証を申請(認定調査)

基幹相談支援センターで、娘と一緒に「認定調査」という面談を受けました。普段の娘の様子や私の困りごとについてヒアリングを受けました。娘は発達について誰からも指摘を受けていなかったため、どちらかというと療育の利用を希望する私自身の考えを話す機会となりました。

この時、スタッフの方に教えていただきながら、初めて個別支援計画書(※)をセルフプランとして作成しました。ちなみに、受給者証はこの面談の1ヶ月後くらいに郵送されてきました。(このあたりはお住まいの自治体によって異なると思います)

※個別支援計画書:療育施設を利用するにあたり、子どもについて気になっていることや現在の困りごと、今後の希望などをもとに目標や達成時期を決めて、療育施設で支援していくための計画書。その後も6カ月ごとに見直しが入り、子どもの様子を見ながら計画書を作成してもらえる。

⑥療育施設や保育園と手続き・調整

私は療育の送迎サービスを使って保育園との連携をお願いしたかったので、その後も色々と調整業務がありました。

また、大量の契約書類も記入する必要があり、かなり大変でした。そのため、療育利用までにさらに1ヶ月ほど時間がかかってしまいました…。思い出せる限り、以下のようなことを対応したと思います。

療育サービス契約までにやったこと

  • 保育園への事前相談
  • 療育施設と保育園との調整
    • 連携方法の決定
    • 療育施設スタッフの顔写真を保育園に提出
    • お昼寝対応の検討
  • 契約書類の記入
  • 送迎方法の決定

⑦療育スタート

療育開始当初は心配していましたが、娘は初日から馴染み、週1回の療育の日を指折り数えて楽しみにするようになりました。

私の利用している療育施設は開始が10:00と保育園より遅く、利用人数も保育園より少なく落ち着いて過ごせるため、娘にとっては週に1回ゆっくりと過ごせる日になったのかもしれません。

療育施設のスタッフさんは支援のスペシャリストのため、毎週優しく娘に話しかけてくれることで、娘は私にも話さないような内面を、スタッフの方にポツリポツリと語る場面もあるようでした。

また、療育に給食はないため、娘は毎週お弁当を持っていきます。それも楽しみにしていてくれているようでした。

療育の日は、私が仕事にあてられる時間は短くなりますが、そのぶん朝にお弁当作りの手伝いをしてもらったりと親子でコミュニケーションを取る時間が増えたとも言えます。

さいごに

療育を利用するまでは毎日バタバタと育児と仕事に追われ、保育園に行くのを嫌がって泣く娘に対応するのが、本当に苦しい日々でした。

なぜ毎日娘は泣くのだろうか。私の子育てが悪いのだろうか。仕事を制限してでも保育園を休ませるべきなのだろうか—そんな思いで毎日が過ぎていきました。

ですが、「週に1回」の療育という風穴が開いたことで、新しいリズムが生まれたように感じます。今でも時々登園を嫌がることはありますが、療育の日をはさむことで、少しずつ泣かずに保育園に行けるようになってきました。

その後どうなった?娘の新しい一面との出会い

誰にでも発達における「でこぼこ」があるように、娘にも言葉でうまく伝えられず感情的になったり、偏食がひどかったり、洋服に強いこだわりがあったりと、様々な課題があります。

ですが、療育を通じて娘と向き合う時間が増える中で、新しい一面を発見することができました。それは、娘が外ではとても「頑張り屋」であることです。

家ではワガママに見えることが多かった娘ですが、保育園や療育ではむしろ「優等生」のように振る舞っていることがわかったのです。ですが、どうやらそれは無理なくできているわけではない様子でした。

もしかしたら、登園を嫌がっていたのは「行きたくない」というより、「頑張りすぎることが辛い」からだったのかもしれません。娘は「頑張りたくない」のではなく、「ホッとできる場所」を求めていたのではないだろうかと、今では思います。

もし、仕事の事情などで家庭でそのような居場所を作るのが難しいときは、保育園でも家でもない「第三の場所」を用意するという選択肢が増えたらいいなと思います。

娘はもうすぐ小学生。療育は未就学児までなので、娘の療育はもうすぐ卒業です。ですが、これからも娘の個性と向き合いながら、柔軟に娘の過ごしやすい方法を模索していきたいと思います。

執筆にあたり、私の記憶にプラスして以下の記事を参考にさせていただきました。私が療育を始める前に知っておきたかった…!

詳細に療育をスタートするまでの知識が網羅されていて、非常に参考になる記事でした。こちらも併せて読むと、より理解が深まると思います。ありがとうございました!

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この記事を書いた人

彩のアバター 子育てフリーランス

5歳ひとりっ子のママ。保育園に預けながらフリーランスのUIデザイナーとして活動中。長く使えるコスパよしな育児グッズを探すのが得意。

Webやデザイン、育児のことを綴ったブログ「Design Color」も運営中。

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