このコーナーでは、出産や育児をきっかけに立ち止まりながらも、自分らしい働き方を模索してきた女性たちの体験談をお聞きします。ママになってから、“ひとりの私”としての自分をあらためて問い直し、再構築していく——そんなストーリーをお届けします。
育児、夫婦・親子・人間関係、そして仕事の悩み…。
「このしんどい状況って、ずっと続くのかな?」
そう思いながら日々を過ごしている方も少なくないのではないでしょうか。
第3回のゲストは、カフェ店主のペリッジ 未佳(ミカ)さん。「なんでも永遠に続くものってないじゃないですか」という一言に、“今ここにいる自分”を大切にするヒントが隠れていました。

ペリッジ 未佳(ミカ)さん
JR常磐線・馬橋駅そばにある南アフリカをテーマにしたカフェ「サンビームテラス」を夫のレスリーさんとともに経営している。留学・旅行業・通訳案内士など、多彩な経験を持つ。社会人と大学生の子を持つ母でもあり、子育てを経て、自分の人生を積極的に楽しみ、“今を生きる”ことを大切にしている。
Instagram:@sunbeam.jp
コロナ禍で生まれたカフェ「サンビームテラス」

JR常磐線・馬橋駅から徒歩5分。南アフリカをテーマにしたカフェ「サンビームテラス」では、現地の陶器や雑貨に囲まれながら、本格的な料理を楽しめます。
夫婦で店主のレスリーさんとミカさんは、ともに英語と日本語を話せるバイリンガル。外国のお客さんも多く訪れ、国際色豊かな雰囲気です。
それでいて、店内に5分も座れば、まるで“実家に帰ってきた”ような温かさ。お客さん同士が自然に会話を始める居心地の良さが、このお店の魅力です。

サンビームテラスを始めたのは、どんなきっかけだったんでしょう?



実は半分なりゆきなんです(笑)。ママ友から「ここでカフェをやってみたら?」と声をかけてもらったのが最初でした。
ミカ:ちょうどコロナ禍の真っ最中。普通はそんな時期にお店を始めないですよね(笑)。夫のレスリーさんはもともとバイクパーツを扱っていたんですが、コロナで続けるのが難しくなって…。
当時この場所はバイクパーツ販売の事務所で、よく飲み会やパーティーが開かれていて賑やかだったんです。そんな時に、ある友人が「ここでカフェやってみたら?」と提案してくれて。そこから飲食店の始め方を調べてくれて、気づけば話が転がるように進んでいきました。
“この先どうしよう”って必死に考えたというより、成り行きで流れに乗った感じですね。
振り返れば、経験が全部“いま“につながっていた



えー!カフェを前からやりたかったとか、そういうのではなかったんですね。でも、カフェって開くのにいろいろ資格とか必要じゃないんですか?



飲食店を開くのに実は特別な免許はいらなくて、「衛生管理責任者」の資格と設備があればOKなんです。で、その資格…もう持ってたんですよ!
ミカ:アメリカ留学から帰国したあと、日本にまだカジュアルなコーヒー文化が全然なかった頃に、今でいうスタバみたいなコーヒー店でアルバイトを始めて。その時に資格を取ったんです。ちなみに、そのお店で出会ったお客さんが夫のレスリーさんだったんですよ。
彩:すごい…全部つながってる!しかもアメリカ留学…!だから英語ペラペラなんですね。他にも英語を活かした仕事をされてたんですか?
ミカ:その後も英会話講師、通訳案内士、旅行業、オリンピックのサポートの仕事…とにかく興味があると飛び込んできました。飽きっぽいから長続きしないんですけど(笑)。だいたい3年くらいかな。



今までの経験ひとつひとつが、実は大事なピースだったんですね。やってきたことが全部「サンビームテラス」に繋がっている気がします!
輸入・ツアー・アート――“やりたいことが止まらない”これからの夢



肩書き、何個あるんですか…?衛生管理責任者、通訳案内士、ツアーコンダクターもできそうだし、今はカフェ店主でもあるし…。



でも私、まだまだやりたいこといっぱいあるんですよ!
ミカ:たとえば、今は南アフリカのお皿や雑貨を日本に持ってきてるけど、その逆——日本のいいものを南アフリカに届けたい。せっかくレスリーさんとのつながりもあるし。
それにね、父の料理道具のお店を兄が継いでやっているのだけど、維持が難しくて。でも日本の道具って本当に良いから、海外ならもっと価値が出ると思うんです。そうすればお店を続けられるし、私も新しい挑戦ができる。
彩:なるほど、一石二鳥ですね!
ミカ:あとは、南アフリカを体験できるツアーを企画したいんです。旅行業やツアコンの経験もあるから、できないことじゃないと思ってて。
それと、バイクで日本を回るのも夢。まだ行ったことのない土地を走ってみたいんです。最近バイクの免許を取ったばかりなんだけど、今度、伊勢まで10時間かけて行く予定なんですよ。近所しか走ったことないのに(笑)。



すごいチャレンジ精神…!でも挑戦する前に怖いなとか、不安を感じることはないんですか?



もちろんあります!初めての長距離だからビビってます(笑)。
でも、「やるしかない」かなって。
なんでも結局、一度やってみないと分からないんですよね。ツアコンも最初は怖かったけど、やってみて「無理!」って辞めた。でもそれも経験。嫌ならやめればいいし、ずっと続くわけじゃないから。
彩:たしかに…。その時は大変でも、思い切って挑戦したツアコンの経験が、南アフリカ体験ツアーという“今の夢”に、ちゃんと繋がってますしね!
ミカ:それと、サンビームテラスはギャラリーでもあるので、表現する人たちと観る人たちをより繋げられるように、もっとアートに関わっていきたいです!
彩:本当に“やりたいことが止まらない”ですね!



興味を持ったら動いてみて、続けたいことを増やしていく。その積み重ねが、点と点を線につないできたんだなって感じます。
永遠じゃないからこそ出会える――一隅を照らす小さな場所



カフェを続けていて「やっててよかったな」と感じるのは、どんな時ですか?



ふとした瞬間かな。みんなが思い思いに過ごしてるのを眺めてるときに、「素晴らしいな、このお店」って思うんです。
ミカ:お酒を飲む人も、コーヒーだけの人も、犬連れの人も、本を読む人もいる。みんな違うのに、同じ空間で自然に受け入れ合っている…それってすごいことだなって。
彩:たしかに。初めて来ても「ほっとする」感じがあります。知らない人同士が自然におしゃべりを始めたりして。
ミカ:そう、いい空間になったよね。…あ、今思い出した!ここを始めるとき、私の中にテーマがあったの。「一隅を照らす」っていう最澄の言葉。
「片隅の小さな一隅を照らせば、そこで照らされた人がまた別の場所を照らす。その連鎖が広がっていく」っていう意味なんだけど。ここもそんな「一隅」になれたらいいなって思って。
本当は「一隅テラス」って名前にしようかと思ったくらい(笑)。でも説明が大変だからやめて、南アフリカの陶器を販売していた時の会社名「サンビーム」を使ったんです。そうしたら、どちらの言葉も“照らす”という意味につながっていて、不思議と重なったんですよね。
だからここに来て心が明るくなった人が、家に帰って家族に優しくできたり、また別の場所で誰かを照らせたら…それが一番うれしい。
これからも新しい人が来たり、逆に来なくなる人がいたり、いろんな変化があると思う。だって永遠じゃないから。でもサンビームはここにあり続ける。受け入れて、流して――その繰り返しでいいのかなって思います。



ここでも、最初の想いとお店の名前が繋がったんですね。“永遠じゃないからこそ出会える”。一瞬一瞬が宝物に思えてきますね。
人はみんな違う。だから「察する」より「伝える」。ミカさん流・夫婦円満のコツ



レスリーさんとミカさんは国際結婚ですよね。でもすごく仲良し。暮らしていて「文化の違いだな〜」って思うことはありますか?



うちは違いが多すぎるから、いちいち気にしてない!(笑)
ミカ:文化の違い、年齢、人種、男女…。人って、違うのが当たり前。だから受け入れるしかないと思うんだよね。でも、どうしても受け入れられない時は、ちゃんと伝える!私は「曖昧がいい」みたいな日本の雰囲気が本当に苦手。
彩:「察する文化」みたいなことですか?
ミカ:そうそう。「オブラートに包む」とかね。それが通じる関係ならいいと思う。でも、うちの場合は通じない(笑)。日本人同士でも違うんだから、結局同じだよね。だから私はド直球で伝えるの。
彩:たしかに…。伝える前に「察してほしい」って思ってモヤモヤすること、ありますね。私もそうでした。でも、伝えるまではスタートラインにも立ってない。
ミカ:それに、永遠に一緒にいられるわけじゃないから。年齢差もあるし、もしかしたら、明日だってどうなるかも分からないし。いつまで一緒にいられるかなんて、誰にも分からないじゃん。
彩:本当ですね。なのに私たちって、すぐにそれを忘れて「明日も、明後日も、ずっと一緒にいられる」って思ってしまうんですよね。



「永遠じゃない」と意識すると、今を大切にして、伝えることは伝えて、その分楽しい時間を増やしたい――そう思えますね。


永遠に続くものなんてないから。“今ここ”を大切に
英会話講師、旅行業、通訳案内士、東京オリンピック――3年ごとに変化してきたキャリアは、一見バラバラでもすべて「サンビームテラス」に繋がっていました。
「やりたいことが止まらない」と笑うミカさんの言葉からは、年齢を重ねても挑戦を続けるエネルギーがあふれています。
何度も口にしていた「永遠に続くものなんてない」という言葉。
それは「だからこそ今を真剣に生きる」という信念の裏返しなのかもしれません。
もし、今しんどさが続いていると感じたら、
「永遠に続くわけじゃない」と、そっと唱えてみてください。
永遠じゃないからこそ――“今ここ”を大切に。
ミカさん、ありがとうございました!


ここに来たら心が軽くなる――カフェ「サンビームテラス」
ミカさんとレスリーさんが醸し出す、明るくあたたかい雰囲気。
その空間に触れると、心がふっと軽くなる。サンビームテラスは、そんなカフェです。
こんな気持ちのときにおすすめです!
- 最近ちょっと元気が出ない
- 気楽におしゃべりしたい
- 南アフリカの手料理を味わってみたい
- アートや異国情緒に触れて気分転換したい
そんな時は、ぜひサンビームテラスへ。
ここで過ごすひとときが、きっとあなたの心を照らしてくれるはず。
お店の情報 | |
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店名 | サンビームテラス(Sun Beam Terrace) |
アクセス | JR馬橋駅 徒歩5分 |
住所 | 千葉県松戸市西馬橋1-9-11 |
営業時間 | 火・水 Dinner/Bar 18:00〜23:00(L.O. 22:30) 木・金・土・日 Lunch 12:00〜16:00 Dinner/Bar 18:00〜23:00(L.O. 22:30) |
定休日 | 月曜日 ※不定休あり |
@sunbeam.jp |
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